『クリムゾンブルー』(TOS-Rパロディ)
『紅く碧く』


「エミル!ラタトスク!」
ラタトスクと二人で歩いていると、そう声がかかってすぐに車が傍らで停止した。
するすると窓が開いて、その向こうでにこやかな笑顔と共にひらひらと手を振るのは。
「アステル先生!」
僕たちの主治医のアステル先生だった。向こう側の助手席には助手のリヒターさんもいる。
「あ、これ、アステル先生の車ですか?
 うわぁ、初めて見るなぁ・・・。」
新品みたいにぴかぴかの、ワインレッドの大型車だ。ハンドルが左側についていて、なんだか高そう。(お医者さんって儲かるんだなぁ・・・。あれ、大学教授だっけ?よくわからない。)
うん。初めて見せるからね。と、アステル先生の機嫌は上々のようだった。人好きのするおおらかな笑顔。それに引き換え、リヒターさんはというと助手席でたそがれている。何もないいつも通りの往来を眺めて、そんなに楽しいのだろうか。僕たちに気がついていないわけじゃないだろうに。それにしても、・・・確かに愛想はないけど、真面目なリヒターさんがこっちを一瞥もしないのは珍しい。
愛想がないといえば僕の双子の兄弟、ラタトスクもそうで、僕に合わせて立ち止まったままアステル先生に一瞥もくれないけれどこっちはこれがデフォルトだから何の問題もない。
「ふたりとも、今暇?」
「時間ならありますけど、どうかしたんですか?」
「うん。実はさ。これから海いかない?」
アステル先生はうきうきと楽しそうに、言う。
あ、そうか。申し訳なさそうにリヒターさんが手に持っているのは浮き輪か。もしかして。
「海、ですか・・・」
「そうだよ。今日もこんなにいい天気だし、泳いだら気持ちいいよ。」
確かに、今日も一段と暑い。毎年夏はこんなに暑かっただろうかと思うほど今年は特に猛暑で、今日だってラタトスクが起き抜けにセミ相手にキレるほど不快指数が高いのだ。
確かに、こんな日は水につかれば気持ちいいだろう。
・・・でも。
「あの、アステル先生・・・。僕たち、海は」
「ねえー!君達、海行かないー?」
華麗にスルーされた。
僕たちを置いてけぼりにしてアステル先生がナンパ・・・いやいや勧誘をしているのは、よく見たら僕たちのよく知った顔。
「おっ、海だってさ。ロイド君。面白そうじゃねーの?」
ゼロスに。
「海かー。」
ロイド。
「あ、アステル先生じゃん。なにその車、先生のー?」
ジーニアスも。
・・・大学病院の先生で、僕たちの主治医でもあるアステル先生は、本当は僕たちくらいしか面識がないはずなんだけど、何故か僕たちの周りでよく出没する所為で僕たちの友人達の間でもちょっとした有名人だ。
「海行こうよー。エミルとラタトスクもいるよ。」
「俺を勘定に入れるな!」
「先生っ!僕たちは」
「はいはい照れない照れない。
 行くなら乗って。この車結構入るからさ。」
照れてない!
僕とラタトスクのユニゾンが、夏の往来、セミの声を掻き消した。


結論から言うと、僕たちはアステル先生たちの押しに負けてしまった。
元々僕は強い誘い(強迫?いやいや。)を振り切ってまで逃げられる度量はないし(なさけないなあ、僕・・・)、ラタトスクならやってのけようとするだろうけど、「二人が行かないならやめる」とゴネたアステル先生の発言により、ゼロスに拘束されて車に詰め込まれた。
それにちょっとだけほっとしたのは内緒の話。ひとりじゃないなら、まあ、いいかなって少しは思える。
「アステルって運転できたんだな。」
広い車内で揺られながら、夏のメロディーをBGMに、僕の左隣で感心したようにロイドが言う。
確かに、アステル先生は大学の偉いお医者さんだけど、実は年齢は僕たちとほとんど変わらない。
飛び級制度とかいうやつで、大学に入ったのが9歳の時だそうだ。僕にはとても信じられない。
そこまでして勉強したがる精神の方がわからない、とはラタトスクの談だけど。
それはともかく、僕たちは16歳だから、バイクの免許は取れるけど車の免許はまだ。アステル先生は、確か・・・
「運転って、慣れだからさ。あとはルールを少し覚えればいいだけ。
 まあ、免許とってないけど」
「え」
その時、助手席で異様な沈黙を保っていたリヒターさんの周りの温度が下がった。クーラーの所為じゃない。
リヒターさんのその空気がうつったのか、僕たちまでシーンとなってしまった。
世の中には、知らない方がいいことがたくさんある。
僕たちの空気はお構い無しで、ハンドルをさばき続けるアステル先生(無免許)。
何処からキャッチしてくるのか、マルタやプレセアを逆ヒッチハイクして拾い上げながら快調に海を目指すアステル先生(無免許)。
「末恐ろしいな・・・」
とはラタトスクの談だ。
僕もそう思う。というか、なぜアステル先生の最後の良心(良識ともいう)であるリヒターさんは止めないんだろう。
いや、むしろ止めてください。
そう思うのにリヒターさんは沈黙したままで、海水浴場への道のりは進んでいく。



そういえば僕たちは水着を持っていなかった。
・・・と思ったら、レザレノカンパニーというところが貸してくれる・・・むしろくれる・・・?らしい。
・・・考えたくはないけど、もしかしたら、先生に不可能はないのかもしれない。
「ねえ、ラタトスク・・・。」
「なんだ。」
ラタトスクはすっかり諦めモードで、放り込まれた更衣室で淡々と着替えている。
「やっぱり、はずす、よね・・・?」
僕の懸念を共有できるのはラタトスクしかいない。だけど、僕たちはそもそも物の考え方が違うのだ。
その証拠に、ラタトスクは何を今更、という表情をしている。
「無くしたらどうするんだ?」
「・・・そうだよね。」
「それに、あいつの話だと、せいぜい生活防水程度だったはずだろ。」
「・・・そうだよね。」
「さっさとしろ。置いていくぞ。」
「うん。・・・ごめん。」


「遅いよ、二人とも!」
二人で更衣室を出て、砂浜に出ると、ロイドとジーニアス、プレセアが居た。他の人はどこに行ったんだろう。
「うん。ごめんね・・・。」
「それにしてもあちーな。さっさと入ろうぜ・・・」
「あれ、ゼロスは?」
アステル先生に誘われた時のことも考えると、このメンツにゼロスがいないことがなんとなく不思議だ。
それを訊ねるとロイドとジーニアスは苦笑を返して、その意味を言葉にして教えてくれたのは、プレセアだった。
「・・・ゼロス君は・・・いつも通りのゼロス君、です・・・。」
「ああ・・・。うん。なんとなくわかった。」
日差しが痛いくらいに熱い。
右手をかざして突き抜けるほど青い空を見上げて、我慢の限界が来たのか僕たちを置いて、ラタトスクはざかざかと波を踏みしめて海へと入っていく。
「おっし!俺達も泳ぐか!」
「そうだね。プ、プププププレ、セア、は、ど、どうする?」
「はい。私はここにいます。やってみたいことが、あるんです。」
「そ、そっか・・・。エミルはどうする?」
ラタトスクはひとりで。ロイドとジーニアスは一緒に泳ぐらしい。
海という場所は、砂浜に居るだけだと熱いだけで納涼にも何もならない。だから僕も海に入りたいのは山々だ。
けど。
「えっと、アステル先生は何処かな。」
「えっとね・・・。あのへんの、パラソルの下にいたよ。」
「じゃあ、ちょっと行ってくるよ。」
「泳がないの?」
「・・・そのうち、ね。」
そう言って、僕は逃げるように早足で、アステル先生を探した。
僕だって、ラタトスクみたいに。気にしないでいられたらいい。(・・・本当にラタトスクが気にしてないだなんて、僕だって思っていないけど)
ううん。僕にだって出来るはずなんだ。でも、それが本当にできるなら、僕はこんなスピードでアステル先生を探していないだろうけど。
「・・・エミル。」
この暑さで、人でごった返す砂浜。
僕を呼ぶのは、リヒターさんの声だ。声に振り返ると、リヒターさんと、その隣にアステル先生が居た。パラソルの作った影の下で、二人並んで座っている。
「・・・すまないな。こいつのわがままに付き合わせて。」
「どういう意味だよ、リヒター。エミル、おいで。」
バスタオルを手に、アステル先生が手招きをする。従って歩み寄ると、肩からバスタオルを掛けてくれた。
そうか。これなら、目立たない。
「ラタトスクは?」
「泳ぎに行きました。」
「エミルは泳がないの?」
「・・・。」
「暑いでしょ。」
「暑いです。」
「涼みたいでしょ。」
「涼みたいです。でも。」
「エミル。僕たちはね。怪我や病気のケアはしてあげられる。
 いつ病院に来いだとかこの薬を飲めだとかこの手術を受けろだとかの指示はできる。でもそれ以外は管轄外だ。というか、言ったって聞きやしないでしょう?それはただの押し付けに過ぎないんだから。
 術後のケア。義手(うで)のリハビリ。疾患の監視。そこまでが医者としての僕の仕事。
 だから、友人として、エミル。君に。
 閉ざしてしまうとね。こじ開けるしかなくなってしまうんだよ。それはとても寂しいことだ。」
「先生」
「君に必要なのは本物の腕じゃなくて健全な身体でもなくて、本当の理解者でもなくて、ほんの一握りの勇気だと、僕は思う。」
「でも」
「でも禁止。」
勇気。
僕の心にはぽっかりと大きな穴が開いていて、その中にころり、とその言葉が転がり落ちてきた。
「焦ることはない。」
静かに、リヒターさんが言う。
「お前は、まだ若いのだからな。これから多くを学ぶこともあるだろう。」
リヒターさんの言葉は渋くて、静かで、大人っぽい。・・・かっこいい。
それを聞いたアステル先生は何故だか笑い出した。茶化すように。
「リヒターおじさんくさーい。」
「・・・おじさん・・・」
・・・あ、リヒターさんが凹んでしまった・・・・。
そういえば、リヒターさんだけ、海に入るようには見えない格好をしている。泳ぐつもりはないんだろうか。こんなに暑いのに。
「・・・まー、あれだね。エミルの場合、兄弟が居るから依存しちゃって余計に殻に篭っちゃうんだよね・・・。ラタトスクがもっと社交的ならそこが糸口になるかもしれないけど、ラタトスクだからなー。」
思ったよりあっさりと、話題は元に戻った。逸らした張本人の手によって。
そうは言っても、僕だって、このままじゃいけないとは、思ってる。わかっているけど、まだ僕には色んな準備が整ってない。心の準備とか。
だから、発破をかけるようなアステル先生の言葉も、有り難いのだけど、少し、痛いのだ。
そんな僕の様子に、リヒターさんがちらりとアステル先生の様子を伺ったあと、静かに笑いかけてくれた。
「エミル、気負いするな。いつものアステルの心配性だ。」
「はあ・・・。」
「だって僕たち、苦楽を共にし成長を見守ってきたいわゆる親子みたいなものじゃない!?」
「えーと、僕たち歳2つしか違いませんよね・・・?」
「それでいくとリヒターは僕の兄弟みたいなもので、エミルにとっては伯父さんだね!」
ぐ、っと親指を立てて、無性に嬉しそうなアステル先生。・・・兄弟なのか・・・。保護者かと思ってた。
・・・あれ、その隣で、またリヒターさんが。
「・・・おじさん・・・」
本当は若いんだから、笑って流せばいいのに、リヒターさんという人も大概真面目だ。
でもなんだか、僕にもちょっとだけ、勇気、みたいなものが湧いてきたような気がして、そうすると段々暑さに我慢が出来なくなってきた。
「・・・えっと、僕、ちょっとラタトスクのところ行ってきます。」
「いってらっしゃい。あ、ちょっと待って。」
ひらひら、と手を振りかけて途中で止めたと思ったら僕を引き止め、アステル先生は立ち上がると僕からバスタオルを取り払って、代わりにリヒターさんが持っていた浮き輪をスポッと被せた。
・・・わかっていらっしゃる。
「・・・・。」
「いってらっしゃい。」
「・・・。」
・・・なんだかとても情けない気持ちになるのは、何でなんだろう・・・。


「この為にわざわざ海に連れてきたのか?」
「荒療治ってヤツ?お節介だったかな。」
「・・・そうだな。」
「全否定かー。リヒターは厳しいね。」
「・・・いや。そうでもない。」
「・・・ホント?まあ、でもそれだけでもないんだけどね。」
「?なら、それ以外とは何だ?」
「・・・僕だって、年頃の18歳だよ。同世代の友達と遊びに行きたくだってなるよ。」
「そうか。それもそうだな。」
「あ、笑ったな。
 ・・・もう、僕も泳ごうかな。リヒターは泳がないの?」
「俺がやらなくて誰が荷物の番をするんだ。」
「・・・うん。じゃあ、任せた。」
「ああ。」


この絶好の海水浴日和に、当然人は多かったけど、ラタトスクはすぐに見つけられた。
海面から顔だけ出して、泳いでいるのか漂っているだけなのか非常に微妙だ。
僕も海に入ろうと・・・浮き輪を握り締めて砂浜を歩いていて、ふと見慣れたピンク色のツインテールを見つけた。
「・・・なにあれ。」
プレセアだ。きっとプレセアだ。というかプレセアだ。
その目の前に聳え立つ砂のオブジェは一体何だ。
いや、前向きに考えてみよう。なんだか凄いことになっているアレはどう見ても未完成。これからなんかとてつもない芸術が仕上がるに違いない。
そういうことにして僕は打ち寄せる波をさかのぼっていった。
皆は何処だろう。ラタトスクは非常にわかりやすかったけど、潜水でもされていたらまったくメドが立たない。
波に漂う浮き輪の上(?)は不安定で、無意識に右肩に力が入る。でも今其処に義手はない。
なんだかんだで、僕の身体も義手の存在にすっかり馴れているようだった。といっても未だ使いこなせていないわけだけど。
左腕に浮き輪のロープを巻きつけて、僕はなんとか浮き輪にしがみつく。
・・・別に、泳げないわけじゃない。水だって怖くないし。ただ水の中だと全然うまく前に進めなくて距離が進まないんだけど・・・って、もしかしてこれを泳げないっていうんだろうか。
・・・でも、それも、僕がプールや海が好きじゃないから、というのも原因のうちだ。
そうやって敬遠してきたから、そういえば、海の経験って僕、ほとんどないんだった。
そう考えると、何だろう。なんかちょっと、ドキドキしてきた、かも・・・。
海といえば、やっぱり魚かな。魚、いるかな。
そう思って海面を覗き込んでみる。
真夏の照り返しと、深度が増すと水の透明度も落ちて、海の中はよく見ることができない。
どうやったらよく見えるんだろう?
・・・と。

「!!?」

・・・経験のある方はおありだろうか。
身を乗り出しすぎたらしい。
浮き輪がひっくり返った。


「・・・なにやってんだ?」
海中から海面へ、浮き輪にしがみついて自力で何とか這い上がる(だから、泳げないわけじゃないんだってば!)と、呆れた目をしたラタトスクがすぐそこに来ていた。
「なに・・って・・・っうぇっにがっ!」
もうどうせずぶぬれだけど、というか海に来たのだから当たり前だけど涙が出てきた。
海水はしょっぱくてしょっぱいを通り越して苦い。
うああ、鼻がツンとする。痛い。
「魚・・・。」
口の中に広がる不快感と戦い、軽く咳き込みながらなんとかラタトスクの質問に答える。
「あ?」
「魚、いるかなって。」
「・・・お前、それで・・・。」
「そ、そんな目で見ないでよ!」
何か可哀相なものを見る目で見られた。ラタトスクにそんな表情を向けられるのは非常に稀有だけれども、見れて嬉しいものじゃない。
「よお。」
そこへ、ざばあ、と海坊主・・・じゃない、ロイドが現れた。
うわあ、どこにいたんだろう。
ゴーグルをくい、と上げて、笑う。ジーニアスは一緒じゃないんだろうか。
そう思って、ぐるりとあの銀髪をさがしてみると、いた。
砂浜のところ。プレセアの近く・・・って、あそこなんかまた凄いことに・・・。
「なあ、ちょっと沖の方行ってみないか。」
そうやって気を取られているうちに、ロイドがラタトスクを誘って(僕のことも誘ったのかもしれないけど、僕は聞いていなかった)、ラタトスクも二つ返事で。
「ああ。いいぜ。エミルも来い。」
「へ?」
この海は穏やかで、遠浅だから割と沖のほうに出ても大丈夫だ。けど、あれ、ちょっと待って。
ラタトスクは僕の浮き輪のロープを引っつかむと、沖のほうまで泳ぎだした。
いや、ちょっと待って。
「えええ!?なんで僕まで」
「気にすんなよエミル!」
いや、ロイド。気にするから!
しかし残念なことに、この二人は僕の主張をすんなり聞き入れてくれるようなタマじゃなかった。

「ラタトスク、それじゃ泳ぎにくくないか?俺が持つぜ?」
僕と同じく片腕しかないラタトスクは、その右腕で僕の浮き輪のロープを握っているために、ほぼ足だけで泳いでいる状態だった。その所為か、スピードがロイドに遅れを取っている。
「要らん気は遣うな。」
「なんだよ。友達の気を遣うのは当然だろ。エミルも流されてないでちょっとは泳げよな。」
「君達が流したんだよ・・・」
結局ロイドは浮き輪のロープを手にとって(ぐるりと一周してあるから、どの角度からでも掴むのは簡単だ。)泳ぎだしたから、それから、ラタトスクにとってロイドに気を遣われることよりも、ロイドに遅れをとる方が嫌だったようで僕はラタトスクからロイドに交代された。
というか、そこまでして僕を連れて行かなくてもいいのに・・・。


「なんだ、アステル。もういいのか。」
「ば」
「・・・ば?」
「ば て た。
 リヒター、水。」
「・・・・。」
「ありがとう。そうそう。プレセアのところ見てみなよ。凄いよ!」


それから、僕たちが砂浜に帰ってくると、なんだか凄いものがそこに聳え立っていた。
その砂のオブジェを目の当たりにして、僕たちは素直に賞賛するべきなのか、それとも静かに見なかったことにするのか小一時間・・・いや、一分くらい・・・悩んでアステル先生のいるパラソルに帰った。
そして、すっかりお疲れなアステル先生に代わって、リヒターさんが運転することになった。
・・・こんなこと言いたくないが、実は今、免停中だそうだ。
・・・よい子も悪い子も普通の子も、真似しないように。(というかリヒターさん、何したの。)
そんな恐怖のドライブの、帰りの道のりはあんまり憶えていない。
ラタトスクと友達と、仲良く後部座席で寝ていたそうだ。
あれだけ思いっきり遊べば、疲れもするだろう。
なんだかよくわからないけど海につれてこられて、なんだかよくわからないけどアステル先生に説かれて、実はあんまりよくわからなかったけど、まだ僕には理解できないみたいだったけど、楽しかったかと問われれば、うん。・・・楽しかった。
それでいい、と後日リヒターさんはそう言った。まあこれからだからね、とアステル先生もやや不満げだけど言っていた。
今年の夏は暑くて、熱くて、僕が普段抱いている後ろ向きな感情も溶け出すくらいに暑くて、今はそういうことにしておいていつかは、それが始まりのひとつだったと思えればいい。
僕はそう願う。








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・あとがき・

前提として、「エミルは自分の身体に強いコンプレックスを抱いている」
というのが必要な話ですね。
アステルはそれを解消させてあげたいと思ってるし、実際に周りの友達はエミルが思うほど気にしてないんです。エミルは友達以外の視線も気にしているわけですが。
ブログに書いたネタを加筆・修正しました。ブログだと処理速度が遅くなるので、ここまで長い話は書きづらいです。
タイトルの意味はなくなってしまいましたorz フィーリングで感じてください・・・
長くなって止まらなくなるので、マルタやコレットの出番はごっそり削りました。ごめんよヒロイン達!
ビーチバレーとかさせたかったのになぁ・・・。

みなさん、交通ルールは遵守しましょう!


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