今となっては昔のことだが、そこに一人の王子が居た。
1000の山と1001の島を領土に持つ国を、治める王の長子だった。
側室で一番の美妃と謳われた母親に似た端正な容姿と、愚鈍ではない知能と、しなやかで機敏な体躯を持っていたが、
天は総てを与えない。
(有体に言えば性格が。)
臣下が眉をひそめても袖を濡らしても、それはそう容易くどうにかなるものではなく。
(少なくとも、今のままでは。)
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