+音楽的に100のお題 071〜080 +
071 misterioso (ミステリオーゾ * 神秘的に)
coming soon...
072 lacrimoso (ラクリモーゾ * 涙ぐんで)
『一生懸命なんだからしょうがないと、我ながら陳腐な言い訳。』(MV)
はたり、はたり。
時を刻むような雫の音。
それが本来自分の中で巡って循環しているはずの血液だとわかって、シードルは驚いたような表情をした。
呆然として立ち尽くし、ただそれを見つめているその姿を傍観する者があったとしたら、なんて思っただろう。
血を失いすぎれば命に関わるのだから、然るべき手段をとらなければならないのに。
それなりに恵まれた環境で育った。
幸せも不幸せも知っている。けれどこんな風な怪我を負ったことは無かった。
喧嘩っ早いあの悪友ならよくあることかもしれないけれど、とにかくシードルは初めてだった。
どうすればいいのか分からない。
考えようにもすっかり動揺してしまってうまく心が働かない。
なにより、こんな時にシードルを心身共に助けてくれるはずの友人がどこにもいない。
頼らざるを得ない状況になって、改めて思い知らされた独りだということ。
シードルは。棒立ちのまま、顔を歪めた。
今にも泣きそうに見える、それは痛みによるものか、それとも寂しさからか。
どちらかと特定する必要もない。
ぬめりを伝える腕が震える。
誰かの名前を呼びかけて開いた口は、結局声を発することはなかった。
唇を噛み締めて、小さな血溜まりから遠ざかりながら、シードルは数回ゆっくりと瞬きをする。
閉じた瞼を開くたび、視界の霞みは激しくなった。
その現象に言い訳をして。
今にも泣きそうな表情で、それでも結局泣かないのは。
誰も見ていない、だからこそこんな思いをしているというのに泣かないのは、
彼のプライドと、彼なりのささやかな抵抗なのかもしれない。
それがどれほど矮小で、意味のないことか・・・わかっているとしても。
モドル
073 affabile (アッファービレ * 優しい)
『真偽表裏一体』(MV)
「シードルは優しい。」
シグマは言った。更に言えば、ぐったりと眠たげにシードルのベッドに潜り込んだ状態で言った。
更に詳しく言えば、何故だか知らないが未成年にあるまじき泥酔した状態でシードル邸を訪れ、半泣きで散々シードルの身の回りとは全く関係のないことを思う存分愚痴って、その後ダウンしてしまって自力で帰れなくなったためにシードルのベッドを借りて静かに酔い覚まし中のシグマが言った。
それはそうだろう、とシードルは口には出さずに思う。
シグマの行動に対してのこの対応は文句なしに優しいといえるのではないだろうか。
しかしもっと言うなら、シグマの今後の人生のためにこの失態(?)について説教のひとつでもくれてやるのも優しさだとは思うが。
酔っているうちは効きそうにないので後回し。
「シードル。」
「なに。」
今のところはまだ必要にはなっていない枕もとの洗面器をつつきながら、シグマは下手にしか回らない舌で話す。
「褒められたら喜びましょう。」
「そうは言われても別に嬉しくはないんだけどね・・・。」
「シードルぅー」
「なに。」
シグマは完全に目が据わっている。うわごとを言っているだけのようにも見える。
それでも、シードルが返事をするまでは決して次を喋ろうとはしない。
「あたしのこと好きー?」
「・・・・?」
シードルはシグマを見た。
シグマはシードルが返事をするまでは決して次を喋ろうとはしない。
「・・・・・。」
「・・・だったら、何なのさ?」
「好き?」
どっちつかずの曖昧な返事は受け付けていないみたいだった。
やっぱり、酔っているからといって頑固さが変わるわけもない。
「・・・好きだよ。」
「どのくらい?」
ろれつは上手く回っていない。それでも今日のシグマには隙がなかった。
・・・妙な鋭さがある。
どこまで嘘をいえばいいのか。どこまで本音をいえばいいのか。
「こんなあたしを見ても、幻滅したり嫌いになったりしない?」
・・・あぁ、シグマはそれを気にしていたのか、とようやくシードルはわかった気がした。
なんとなく安堵して思わず笑ってしまった。
「今更君が何をしたところで、幻滅するような偶像は抱いていないけどね。僕は。」
シグマも力なく笑う。
「・・・ひどいね。シードル。
優しくない。
・・・・でも、じゃあ、私たち、出会えてよかったね。」
くすくす、と枕に顔を埋めてシグマは笑った。
シードルはもう笑っていなくて、静かにじっとシグマを見ている。
「・・・・よかったね。」
シードルに笑いかけて、シグマは布団を被った。
シードルからシグマが見えなくなった。
「・・・・そうだね。」
シードルの声は本当に小さかった。
わざと聞こえないように言っているみたいに小さかった。
それでもやっぱりお酒はまだ早いと思うと、そこはシグマに聞こえるように言ったのだけれど、シグマは寝ているようで届いていないらしかった。
モドル
074 maestoso (マエストーゾ * 威厳を持って)
coming soon...
075 parlando (パルランド * 対話風に)
『覇者はかくも雄弁に』(MV)
「お前らさぁ、もし俺がいなかったら、どうするんだ?」
「どうするって、何が?」
「何がじゃねぇよ。もし俺が仮病でも使ってこの臨海学校サボってたら、お前らはどうするんだって訊いてるんだ。」
「サボるのかよ」
「サボるぜ」
「どうって・・・。言われても・・・。ねぇ。」
「意外と重要な問題だぜ、これは。俺がいなかったら、主人公は誰になるんだ!?」
「・・・主人公?」
「主人公??」
「俺がいなかったら、はっきり言って話こじれっぱなしだぞ!?
こじれた話は誰が修正するんだ!?マド先か!?
だがしかし、マド先はOPで唯一、闇プレーンに飛ばされているからお前らが光プレーンにいる間は何も手出しできないんだぜ?」
「・・・ねえ、ジュリア。取り敢えず、落ち着こうよ。
なんかワケのわからないことをさっきから口走ってるよ」
「おれはいつだって落ち着いてるぜ」
「自覚してなければ、落ち着いてなくても落ち着いてるって言うよ。」
「酔っ払いが酔ってないって言うみたいな。」
「俺は酔ってねぇ!」
「・・・。」
「・・・。」
「いいか?団体行動をとるには、全体を縛る規律、或いは統率するリーダーが必要だ。
それがこの場合、俺なわけだが、もしその俺がいなかったら。」
「ジュリアはなんでそんなに、そんなことに拘るの?
もう済んだことをそんなにとやかく言うのはナンセンスだよ」
「趣味だ。パラレルワールドだ。
なおかつ、俺という存在のありがたみを知らしめ」
「はいはい・・・。わかったわかった。
要するに、アレだ。」
「どれ?」
「・・・・。」
「・・・。」
「何だ、この沈黙は。」
「・・・。どの道、なるようにしかならなかったんじゃないかなぁ。レモンとかキルシュとか、結構しっかりしてるし。」
「じゃあ訊くけど、ジュリアは何を思って俺らのリーダーになったんだ?」
「・・・ん?どういうことだ?」
「結構イキイキと俺らをまとめてたけどさ・・。面倒じゃなかったのか?
ジュリアのことだから、流されてなし崩しに・・・なったわけじゃないだろ?」
「ふふ、それは、決まってんだろ。
迷える子羊たちに手を差し伸べるのが俺の趣味」
「嘘だ」
「嘘だね。」
「ああ、嘘だよ。」
「ジュリアは嘘つきだよね。」
「嘘も方便という。」
「狼少年。」
「そこまでヒドいか?」
「・・・・。」
「・・・。」
「・・・まぁ、でも、悪い嘘じゃあ、ないよ。
ジュリアはなんだかんだで、いいヒトだからね」
「・・・・。」
「・・・・。」
「・・・・・やべ、鳥肌立った。」
「え、なんで?(笑)」
「さぶいぼとも言う。お前がヘンなこと言うから」
「感動したんじゃないの〜?」
「するかよ。」
「しないだろうなぁ」
「しないんだよねぇ・・・。」
「つまらないな。」
「つまらないね。」
「・・・・。
お前ら、俺で遊ぶな。」
モドル
076 ritenuto (リテヌート * 引き止めるように遅く)
coming soon...
077 pomposo (ポンポーゾ * 豪華に)
coming soon...
078 sonoro (ソノーロ * 良く響かせて)
coming soon...
079 alla marcia (アラ マルツィア * 行進曲風に)
coming soon...
080 sotto voce (ソット ヴォーチェ * 柔らかな声で)
coming soon...
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