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雪が降っている。 見慣れた景色をすっぽりと覆って まだまだこれから、と降り続く。 楽しそうにはしゃぐ級友達。 思ったとおりの、いわばよくある光景。 感慨はなく、高揚もない。 寒いなぁ、と思いながら、何故室内でじっとしてないでこうやって外に出て、座り込んでそんな風景を眺めているのかはわからない。 言及するのは面倒なのでやめておいた。 中にいれば暖かいのになぁ、ちょっと度が過ぎたりもするけれど、 でもそれは厚着を脱げば済むことで、嬉しくもないのにこんな寒空の下北風の中、じっとしているよりはマシなのに。 そんなことばかり考えている。 雪は綺麗だなぁ、なんて、 綺麗事みたいにそうやって見上げて、 ため息を吐く、嘆息を吐く。 「遊ばねぇの?」 影が降りた。声が降った。 それを見上げる。 ジュリアだった。 寒がりな彼が、雪の中で。 「・・・珍しいね。」 「だったら中入れよ。寒いんだから」 「ジュリアでも雪遊びするんだ?」 「それともお前、寒いの平気だっけか。」 お互いが譲らなくて、会話がすれ違う。 間々あることだ。けれど、かみ合っていなくても、互いの意図することはちゃんとわかっている。 要するに、わざとなのだけど。 「雪は、綺麗だね。」 「は?」 ・・・ジュリアが、思い切り妙な顔をする。 「なに、その顔は」 「・・・いや、なんか、お前らしくないと思って」 「どこが?」 「積もったら雪かきが大変だとか、地面が滑って危ないとか、そう言うポイントだろ、ここは。」 「うーん、僕ってそういうキャラだっけ?」 ・・・否定も肯定も、なかった。 ジュリアは雪空を見上げて、嬉しそうには見えない、むしろ気難しげな表情をしている。 声をかけよう、と思って、けど止めた。 かける言葉がなかった。 なにも、言うことはない。 それから ジュリアの行動は時に不可解だ。 ジュリアは一歩、二歩、歩いて、離れて それから 赤に 黄に 橙に青に包まれて 一瞬ワケがわからなくて、一瞬後に理解した。 理解したが不可解だった。 ぐるぐるとぐらぐらと焔が、炎の球が、風に煽られるように揺らめいて、風となってジュリアの周りを、巡る。 ジュリアは背を向けている。表情は見えない。 「何やっ」 『ノヴァ・ショット!!』 雪空に、吼えた。 溶ける音が、消える音が、重なって聞こえる。空気が熱い。 「・・・ジュリア?」 なおも、雪は降る。それでも、やっぱり。 ジュリアは空を見上げている。 「やっぱ、無理か。」 妙に納得したように、感心したように、ジュリアはつぶやく。 呆気に取られたような顔が、幾らかジュリアを見ているのだけれど、ジュリアはいっこうに気にする気配がない。 「何、したかったの?」 呆気に取られたのはこちらも同じで、問えばジュリアは振り返って、邪な無邪気さで笑って 「雨にならないか、と思ってさ。」 侵(可笑)しそうに答えた。 「中、入ろうぜ。」 ジュリアは手を差し出す。温かそうに、色づいた手。 彼は、迎えに来たのだと、気づいた。 やっと、気がついた。 妙に暖かい、暑いぐらいの部屋の中で、「夏を満喫しよう」なんて意味不明なことを言って、 ジュリアが出してくれたレモネードには、氷が2個、入っていた。 戻る |
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