「どうも、すまなかった・・・。わざわざ、届けてくれてありがとう。」

「いやいや、別に、たまたまだし。」

「おかげで、会が中止にならずに済んだよ。全く、自分で計画しておいて逃げ出すとは、何考えてるんだろうな。

よかったら、ぜひ参加してくれ。」

「じゃあ、お言葉に甘えて。」

カシスのお目付け役、ガナッシュの厚意によって、ジュリア(シンデレラ役)は何の疑いもなくパーティーに参加することになりました。

というか、そもそも初めからそれが目的であったことは、待機状態のバルサミコくらいしか知りません。

会場には、ジュリアの想像以上の豪華料理が目白押しでした。

「うまそ〜vv」



そのころ。

「兄貴ーッ!!キルシュの兄貴ーッ!!大変だっ!!」

「えっ!?カシスが帰ってきた!?」

「先読みするなよ、シードル。セサミは俺に言ってるんだよ。」

玉葱を超高速で微塵に捌きながらキルシュがツッコみました。

「あぁ、ごめん。っていうか、料理長だってば。

ほら、セサミもサボらない。」

言いつつ、シードルは巨大鍋の中身を巨大な棒で引っ掻き回しています。

突っ込みの余地は許しません。

「これで、予定の変更もなくなったわけだ。」

シードルは納得するように呟いて、セサミも持ち場に戻って、ジャガイモの皮むきを再開します。

「・・・・誰か、さあ・・・・。」

ふと、シードルが呟きました。

「カシスに言っといて。『3週間、だだちゃ豆抜き』って。」

「・・・・・・・。」



「あ、ジュリア。何であんたこんなトコにいるの?」

そうこうしているうちに、ジュリアは姉たちに見つかりました。

「食べに来た。」

「・・・それで、ここまで?すごい執念ね・・・・。」

いいえ、あなたたちの妹の尽力のおかげです。とは、言いませんでした。

それよりも、ジュリアは食べるのに大忙しでした。

当然、

「ピスタチオちゃん、一緒に踊りますのーv」

「ドーナツはないっぴかー!?」

「ピスタチオちゃん!!聞きますの!!」

「えー、ガナッシュいないのー?がっかり・・・。」

「ちょっと、レモン、食べすぎよ。」

「ブルーベリーももっと食べなよ。もったいないよ。」

などの外野の声は全く聞こえていません。

カシスはというと、女の子たちに囲まれて、楽しそうでした。

何故それなのに脱走を図ったかは、きっと永遠の謎です。

ジュリアはそんな華々しい空気と、おいしいご馳走を前にして、すっかり忘れていました。

けれど、無常にも、時を告げる鐘の音は、鳴るのです。

楽しそうなおしゃべりや、メロディーに掻き消されそうなそれを、ジュリアは辛うじて聞き取りました。

「・・・12時か・・・!!!」

帰れなくなっては困ります。ジュリアは急いで駆け出しました。

「あ、おい・・・。」

それがカシスの目に留まります。というか、そんなあからさまな行動は目立ちます。

それもとりあえずジュリアは猛ダッシュしました。その目は、遠ざかる魔バスを映しました。

「あいつ1秒も待つ気なしか!!」

それでもまだそれほど離れていないので、一応走ります。

「おい!!バルサミコ!!ちゃんと居るから止まれ!!」

けれど聞こえているのかいないのか、魔バスが止まる気配はありません。

ジュリアは舌打ちし、そして、その手に炎が生まれます。

「止まれって・・・・・言ってんだろ・・・!!??」

ジュリアの腕が空を切り、炎の玉が、空中に弧を描いて、魔バスへ向かいます。

シンデレラ(ジュリア)、恐るべし、実力行使です。

そして、炎の玉は魔バスへ直撃し、魔バスが炎に包まれます。

「・・・あれ、俺、こうする予定だっけ?」

魔バスが止まりました。ジュリアはそれでも、走り寄る気は起こらず、立ったまま、魔バスを眺めています。

そして!!



  ドカーン!!



魔バスが、爆発しました。

「!!ガソリンに引火したのか!?」

・・・魔バスの動力は、ガソリンではありませんが。

「じゃあ何だ!?今の爆発は・・・」

沈黙の後、魔バスは、再び動き出します。何事もなかったように。

快走です。

「・・・・。」

ジュリアは生まれてはじめて、本物の火の車を見ました。(誰のせいだ)

「・・・いってらっしゃーい・・・・」

心が空寒くなってきたので、とりあえずそう言って、手を振ってみました。

それから1、2分、そこで突っ立っていましたが。

「良かった・・・。まだ帰っていなかったか。」

後ろで声がしたので、ジュリアは振り返ります。すると、そこにガナッシュが立っていました。

「ん・・・?何か用か?」

「ああ・・・。なんでも、王子が今日一緒にバスに乗ったのが楽しかったとか・・・。

それで・・・何というか・・・。友達になりたいと。」

「・・・・。」

あの馬鹿騒ぎが、か。と、ジュリアは思ったけれど口には出しません。

「良かったら今日、城に泊まっていかないか?」

「・・・マジで?」

とりあえず今日はもう騒ぎ疲れたので、遠路はるばる家まで帰らなくても休めるのはありがたいことです。

「じゃあ、お言葉に甘えて。」



そういうわけで、ジュリアとカシスは意外と気が合ったようで、そこから親交が始まり、

気がつけば、シンデレラ(ジュリア)はいつの間にか政に参謀するようになっていたそうです。



シンデレラ(ジュリア)、大出世。







「・・・・マジですか・・・」









人生、何があるか分からない。











終われ!!









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・独り言・

オチてない・・・・!!!
カシス(王子役)の出番が少なすぎます。








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