それは、昔の話、あるいは未来の話かも、もしかしたら、まさに今、起こっている話かもしれません。

広いプレーンの片隅に、シンデレラという女性が住んでいました。



「いや、俺男だし。っつかシンデレラって誰だ?」



訂正。ジュリア(シンデレラ役)という男の子が住んでいました。

父親が修行の旅に出て以来、放任主義の母親にはほっとかれ、わがままな3人の姉にはおもちゃにされる日々・・・。



「大人しくおもちゃになってやった記憶は無いんだけど」



そんなある日。



「訂正しないのかよ。」

「? ジュリア、一人で何言ってんの?」

「・・・いや・・・。なんでもない。」

ジュリアは、その日、いつもはバラバラな姉たちが勢揃いし、またおしゃれな余所行きを着ているのに気がつきました。

ちなみに、姉たちの名前は上からクリス、マリア、ミッシェルです。

「どっか行くのか?」

「今日はお城で舞踏会があるの。王子様の婚約者を決めるとかで、国内の未婚の女性は皆招待されてるのよ」

ジュリアの質問に、上の姉、クリスが答えました。

「俺、もしかして留守番?」

「当たり前じゃない。あんた、男なんだから。ただでさえ交通費が高いのに。」

「・・・そうか・・・。」

マリアのそっけない返事に、心成しかジュリアは残念そうです。

ちなみにジュリアの脳内↓

(要するに城でパーティーやるってことだよな・・・。

いいなぁ。美味い物いっぱいあるんだろうな・・・。)

どうせジュリアは、姉たちの目的がその王子様でなく、食事にあることは知っています。

似たもの姉弟です。



そして、姉たちが出かけた後も、ジュリアの心はアンニュイでした。

自分の部屋でごろごろしています。

そこへ!!

扉が思い切り開け放たれました。

「お兄様!!」

「うん?・・・あれ?アンジェリカ、行かなかったのか?」

開け放たれた扉のその向こうに、兄弟の末っ子、ジュリアの唯一の妹であるアンジェリカが立っていました。

「私は14歳・・・。年上好きの王子様には範疇外です。

それよりも、お兄様!!そんなところで何をしているのですか?」

「何って、何も・・・」

「それでは、お兄様が今、なされたい事は何ですか?」

「・・・・・。おいしい料理が食べたい。」

「そうでしょう。」

アンジェリカは満足そうに微笑みます。

「外へおいでください。微力ながら、私、手を尽くさせていただきました。」

ジュリアには、わけが分かりません。とりあえず、促されるままに、外へと出て行きました。

そこには。

「へい!!少年!!」

「・・・これは一体・・・・。」

「魔バスです。今日はお兄様のために運転手付きでレンタルさせていただきました。」

「お前何処からそんな金・・・」

「レンタル料はまつぼっくり5個です」

「安ッ」

ジュリアは恐る恐る、運転席に座った半魚人(?)、名はバルサミコを覗き込みました。

「ヘイ!少年!!俺様のナイスなハンドルさばきに惚れるんじゃないぜ☆」

「なぁコイツ降ろして自分で運転していいか?」

「そんな・・・。お兄様の手を煩わせるわけにはいきません・・・。」

「煩わせてくれ・・・。今はそんな気分なんだ・・・。」

「お兄様・・・・」

「ははは!!青いな少年!これは普通のバスじゃねぇ!!魔動力の特殊なやつだ。

ちっとやそっとじゃ乗りこなせねぇよ。

なにより、無免許運転は犯罪だぜ☆」

「・・・・・。」

「おっとそうだ!!これだけは言っておかなくちゃなんねえな。

帰りはもちろん、待っていてやるが、それは12時までだぜ。」

「・・・?何でだ?」

「あんまり遅くなるとカミさんが恐いからな。はーっはっはっは!!!」

「・・・やっぱ、降ろす!!」

「ダメですお兄様!犯罪に手を染めては!!」

「んなもん、俺は生まれたときから免許皆伝なんだよ!!」

「冷静になってください、お兄様!!」

そろそろ、日も沈みます。

早く出発しろよ。









つづく。









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・独り言・

バルサミコ以外まだオリキャラしか出てませんが、

とりあえず続きます。






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