・『えびふりゃーにからまるよ』 えびふりゃーに絡まるものといえば。 ・『円(まどか)』 ジュリアさんのOP 帰る
『えびふりゃーにからまるよ』(MV) 聳え立つは天空の塔 立ちはだかるは地獄の番犬ケルベロス その咆哮は空気を震わせ大地を穿ち、 骨を砕き肉を断ち頭蓋を揺さぶり、シナプスを焼き切る。 灼熱の牙。 それにかかれば、哀れな獲物は噛み砕かれる前に、ただの消し炭へと変貌(かわ)るだろう。 それこそが地獄の有様。 其処へ挑む者へ課せられた試練。 ケルベロスは嘲笑(わら)う。 此処は地獄の門。地獄への扉。 まだ序章に過ぎないのだと! 「遊んでる場合かよ、ジュリア!」 「はいはい。」 焦れたキルシュに名前を呼ばれて、ようやくジュリアはしぶしぶと前を見た。 立ちはだかるのは多頭のモンスター。 ケルベロスではない。ドワーフたちが作り上げた機械生物、タルタルちゃんだ。 そして此処は天空の塔でもない。ドワーフたちの塔、キード・モンガだ。 天空に届くはずなどもなく、というかそもそも地獄の番犬が天空の塔にいるなどそこから矛盾している。 自分たちが呼んだ火の精霊、トーストの数を確認しながら、ジュリアはタルタルちゃんにニヒルな笑みを浮かべた。 「期は熟した、か?そろそろかますか。なあ、キルシュ?」 「その前に周り見てくれよ。」v 「・・・ん?」 激しく疲弊感のあるキルシュに従って、くるりと見わたしてみた。 (・・・ちょっとボーっとしすぎたな・・・) 後衛でペシュが完全に倒れていた。超音波攻撃にやられたらしい。レモンのMPも完全に底をついている。 「あー・・・。アランシア、ペシュにフッカのシッポ頼む。そしたら喰らわすから。」 「わかった〜。」 今現在、ヴァレンシア海岸で秘密の特訓をしてきたジュリアは、ここにいる誰よりも戦闘に長けている。 しかし、そのことが全体の油断を誘ってもいる。 ジュリアが生み出す苛烈な炎を目の当たりにしながら、キルシュは密かに拳を握り締めた。 自分だって、強くならなければ。 地獄の番犬をかたどった機械生物は、属性の相性もなんのその、火の精霊に祝福を受けた業火に包まれた。 ↑ +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 『円(まどか)』(MV) 「あ゛ーーーーーーーーーーー。」 月に吠える。 寝転んだ砂がじゃりじゃりとくっついて絡まって、不快だけどそんなことはどうでもいい。 戦って戦って、そういえば何の為にここまで。 今朝の自分とは見違えるほど強くなった気もする。 文献で呼んだ程度の認識しかなかった強い魔法も扱えるようになった。 戦って、戦って。 気付けばもう。誰もいない。 戦って強くなって、幾多魔物を屠ろうと、仲間達が消えていったその時から、全部もう手遅れなのだ。 手遅れだろうとなんだろうと、戦うことで得た経験は、既にジュリアのものだけど。 「仕方のないやつらだよ。本当に。」 ウォーミングアップはこれくらいでいいだろう。ここからがいよいよ本番だ。 「おつかれさん。準備運動に付き合ってくれてアリガトウ。 もう行くわ。」 むくり、と起き上がり、散在する悪魔の亡骸に呟く。 ぱたぱたとしつこい砂を払いながら。 眩しい光を放つ月は円。 「アテにならねーな。まったく。」 そこで見てるだけかよ。 悪態をついてそっぽを向く。 ざりざりと砂を踏みしめて、誰もいない、波音だけの水辺を。 ただひとりで。 ↑ +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 戻る